Gモンスターそれはどの家庭にも居るであろう厄介な虫。言葉にするのもおぞましい事からGと名付けられた。
そしてとあるブレイクダンジョンにて、S級が支援しに来たにも関わらずまったく攻略できずにいた。
「最上代表!これだけは触りたくありません!!!」
「くっ、僕も嫌ですよ!!!あぁこっちに来ないでください!!」
ハンタースギルドの副マスターである向坂の剣は全く別方向に振り回しており…というより全く当たっていない。見たくもないのか、目をつぶってただ振り回している。
一方最上は燃やそうとするものの別の個体が邪魔をしてくるので悲鳴を上げながら逃げ回っている。
まったく攻略が進まないので、ハンター協会からも派遣され道門と犬飼が来たが………
「課長、僕帰ってもいいですか?」
「言いたい事は分かるが、帰るな」
問答無用でGのモンスターが向坂と最上を襲っているところを見た2人は背筋が凍った。気配に察したのか、カサっと音を立ててこちらを見た。
「ひっ」
バタバタと羽を羽ばたかせる音と同時に道門に向かってきた。
「やめろ!こっちくるな!!!!!」
しかし、相手はモンスター。たとえ虫でも人の言葉は通じないのでどす黒い色を持った触覚の長いGが道門を追いかける。
「くっ、触りたくない…!」
道門を助けようと犬飼は前に出るが、かなり気持ち悪いので手を出しなくない。むしろ潰したら卵が出るんじゃないんだろうか。そうなればモザイク物だろう。
「なんで前に出たんですか、犬飼課長ッ!!!」
もはや誰か助けてくれ、そう思った時別の男2人がこちらに気づいた。
「どうした?」
「俺たちで良ければサポートしますが…」
そう言って来たのは白川と美濃部。2人が入れば確かに心強いが、犬飼は心配だった。
「虫は、行けますか?」
「え、虫ですか?」
美濃部がそう聞き返すと同時にGがこちらに飛んできた。もちろん犬飼は顔を青くして逃げていく。
「たたたた、大虎さんっ!!!!」
「おう!まかせろォ、ァ!!」
白川の拳ひとつでグシャリと音を立ててGのモンスターは潰れる。たがここからが地獄なのだ。
べっとりと白川の腕や服に着いているのは丸くて白い物だ。
「「「ぎぃぃやぁぁぁ!!!!」」」
それから1週間、白川に近づく物は旬だけしか居なかったと言う。