『温かい所なら…どこでも……???』[追加道門ver]
温まれる所と言えば暖房が効いている建物の中に入ればいい。が、この後ゲートに入る予定なので、何処かで軽い運動で体を温めようと考え、黒い影の中に飲み込まれていく。
行先は勿論決まっていた。
マフラーを首に巻き、貧乏揺すりをしながら息が少しだけ荒い道門に、他の部署の人達はヒソヒソと話をしながら彼に触れないようにしていた。
「道門、その貧乏揺すりを止めろ」
「………はい」
危うく上司を睨みそうになったが、息を吐いて、落ち着かせるようにしながら、両手を擦る。
事務所なのにも関わらず、暖房は点けず皆淡々と仕事を熟している様子に道門は吐きそうになった。
ついに我慢できずに事務所から出て行き、暖房が効いていそうな場所へと歩いていると、突然目の前から男が出てきた。
「…………何でアンタがここにいんの」
「温まりたいから」
「は?帰れ」
ぶるぶると震えながら旬の横を通り過ぎる。道門の腕を掴みその場に留まらせようとした。
「離せ、僕は寒いんだ、違う部屋に行かせろ」
「模擬戦がしたい」
「勝手に一人でやってろ」
と手を払おうにも、S級が掴む力は桁違いで、全く振り払えない。諦めて道門は旬の模擬戦とやらに参加するが犬飼に怒鳴られるまで残り二時間後……。