エイジ764年へ【上】やっと、全てが終わった。
崩壊した街の中を満身創痍で佇む。見上げれば、空は皮肉なまでに清々しい夕暮れを映していた。紫の雲は生ぬるい風に流され、橙を飲み込んでいく。それは恐ろしいほどに美しくて、終局を実感させてくる。
念願が叶ったというのに、トランクスは目に涙を浮かべていた。胸の中がざわついて、何かに責められているような感覚が拭えず、押しつぶされそうで、喚きたくて、もがきたくて、苦しい。終わったはずなのに心はボロボロで、砕け散る寸前だった。
身体中を蝕む、鈍く重い痛みが弱い自分を増長させ、耐えきれずに膝から崩れ落ちる。
「やっと人造人間を倒したのに……もうこの世界には、ボクと悟飯さんしかいないんですね……あとは、自分たちが……朽ち果てるのを待つだけ……」
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