新聞部に潜むUMA ……六人目の話が終わった。七人目はまだ一向に現れない。
「坂上君さあ、どうするの? このままぼんやりしているわけ? せっかく僕の話で冷ややかになった空気が、しらけちゃうじゃないか」
風間さんは髪をいじりながらそんなことを言う。
確かに、風間さんの語った六話目で場の空気は冷えた。もちろん、怖かったからじゃない。とんでもなくしょうもなかったからだ。
「僕はきみの守護霊なんだよ」なんて、ばかばかしいにもほどがある。「すごぉい、良かったね! 坂上君」と福沢さんは手を叩いて笑っていたし、荒井さんは無言を貫きこそすれ、小さく息をついて呆れているようだった。突飛な話に巻き込まれた僕はすっかり恥ずかしくなり、メモを取る手が覚束なくなるくらいだったのだ。
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