傘の日天気が変わりやすいこの時期、学校で居残り作業をしていた桜と蘇枋はザーザーと降られる雨を前に昇降口で立ち尽くしていた。
「いやー、降られちゃったね?」
「そうだな…あ、そう言えば」
隣にいる桜は何かを思い出したように蘇枋に待つ様に告げ何処かに走って行った。
蘇枋はそんな桜を不思議に思っていると数分もしないうちに桜は手に何かを持ち戻って来た。
「これ…」
「ん?」
「あっ…あさ、喫茶店のおん…ことはに渡されたんだ。」
蘇枋に差し出されたのは折りたたみの傘で顔を赤らめんと不器用に差し出さしてくる。
「でも、それなら桜くんが濡れちゃうよ?」
「俺はこっからすぐ近いし走って帰れる…」
蘇枋は考えたがそれはフェアじゃないと思いならこうしようと手をポンと叩いた。
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