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「あっつー!ねー、休憩しないー?」
「……家までもうすぐだろ」
ターコイズブルーの爽やかな青空とは裏腹に、アスファルトから照り返すジリジリとした熱が皮膚を刺す
天気予報では梅雨明けを報せていたが、既に東の空には真夏のような入道雲が顔を覗かせている
エージェントからの依頼を受けて仮面カフェへ出向いた帰り道、ルーイと静流は肩を並べて歩いていた
ふと、先ほどからぐだぐだと文句を垂れていた静流が足を止め、ルーイを振り返ると、何かを閃いたように口角を上げて持っていたビニール袋をカサカサと揺する
「リーダー、せっかくだしそこの公園でコレ、
飲まない?」
「……は?ぜってー帰ってからのが良いだろ」
ルーイからの返事は明らかにNOであったが、静流は素知らぬ顔で木の生い茂った公園の中へと進んで行く
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