兄妹ss 「リラちゃん、リラちゃんってば……ねえ、起きてよ〜……」
「なに、もう朝……?……えっ」
暁花の泣きそうな声で目が覚める。眩しいほどに真っ白な天井。周りを見渡さなくても、ここが自室でも自身のラボでもないことは明白だ。壁も全てが白い部屋に、リラと暁花のふたりきりである。
「リラちゃん、おはよう!」
「ぐえっ」
目を覚ましたリラに暁花が飛びつき、喉からおかしな音が鳴る。苦しそうにしたリラから暁花が慌てて離れ、律儀に床に正座した。
「あのね、わたしたち、気付いたらここにいたの。昨日は一緒に映画見たあと、別々の部屋で寝たのに変よね」
「……はあ?何それ」
リラはスマホを取りだして画面を数回タップする。しかし反応は帰ってこない。
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