寂しがり屋のアナタへ「ライカンさん、よかったらでいいんだけど手を見せてくれないかな」
ぎゅう、とライカンの身体に手を回して、逃がさないとばかりに意地悪い顔をする彼を見上げて、視線をソファに向ける。久々に会えたことで少し浮かれているのかもしれない、とアキラは苦笑しながら、二人掛けのソファの隣にちょこりと座る。
そして笑みを浮かべてライカンの手を触りたそうに窺う。「駄目かな」
「構いませんよ」
「ありがとう」
「ですが、急にどうされたのですか?」
「……ライカンさんの手って落ち着く、というか」
アキラの白に近い灰色の髪が、さらりと揺らいで顔を隠す。言っておいてなんだがむず痒くなったのか、顔を逸らす――耳は隠せていないのだが。それを微笑みながら見つめ、彼の髪を空いていた方の手で触れる。ん、とくすぐったそうにライカンの方を見る。
2387