いのりのうた 小さな頃、眠りにつく前にはお祈りを欠かさない子供だった。信心深い親に教えられるままに覚えた主の祈りをたどたどしい口調で唱えながら、見えなくてもそこにいる神様の存在を信じて、愛して、愛されるような子供であろうとしていた。
小さな小さな誰よりも大切な妹の足が治りますように、僕と同じように走り回れるようになりますようにと、何度も何度もお願いした。
ミシェーラは歩けるようにならないのだと両親に告げられたあの日から僕は、神に祈るのをやめた。
そして運命のあの日。神性存在のデバガメカメラを押し付けられたあの日。妹の世界が闇に閉ざされたあの日から。僕にとって神というのは上に『クソッタレ』という冠をつけたものになった。
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