あなただけの、アドベントカレンダー「兄ちゃん、荷物が届いてたよ」
父と共にパンの配達から帰ってきた炭治郎に、弟の竹雄が気だるそうに声を掛けてきた。竹雄は昼前だというのに今だにパジャマ姿で、なかなかに休日を楽しんでいる様子だ。
「竹雄、いくらなんでもだらだらし過ぎじゃないか」
「いいんだよ、兄ちゃんだって少し前まで学生だったんだから、この日曜日がいかに貴重かわかるだろ」
「それでも兄ちゃんは毎朝きちんと早起きをしていたぞ」
「はいはい、それより玄関から荷物持って行っておいてくれよ、デカくて邪魔なんだよね」
「人の荷物に邪魔も何も、ないだろ」
とか何とか言い合いをしつつも、炭治郎は弟に甘い。お小言はそこそこに、今日の最重要事項であるお昼ご飯のリクエストをきちんと聞いてから、玄関へと荷物を取りに行った。
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