例のシャアによる反乱から少し経ち、ミライ・ノアは娘のチェーミンを連れ、ようやく宇宙行きのシャトルに乗り合わせることが出来た。元は息子のハサウェイとも共に宙へ上がる予定であったが、アデナウアー・パラヤの割り込みにより座席を確保できず、それでも1席だけ譲られたそれをハサウェイへ託していた。その後はエレカで各地を奔走したのち、出遅れる形とはなったが、ようやく夫ブライトの元へ合流の目処が立ったのだ。
「パパとお兄ちゃん、元気にしてるかしら…」
窓の外を眺めるチェーミンは、耳元の焦げ茶の髪をくるくると指先に巻き付けながらも、輝く星々の中に別れた家族を見ているようだった。ミライはそんなチェーミンの頭をポンポンと軽く撫でると、
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