蜂蜜色の恋茜さす放課後、校内にあるカフェにレイシオとアベンチュリンは来ていた。今日は一週間後に迫った定期考査の勉強をしに来たのだ。
「ねーレイシオ、ここの問題わかる?」
「応用例題23か?」
ソファに並んで座るアベンチュリンが指さしたのはいくつかの公式を組み合わせて解く少し難しいものだ。彼女は授業をある程度聞いていればできてしまうタイプだがこういった応用には少し苦戦することが多かった。なので公式は覚えているだろうと思いヒントを口にする。
「この章で習った公式の幾つかを組み合わせれば解けるだろう。くれぐれも計算ミスに注意するように」
「はーい」
数分後、アベンチュリンの威勢の良い声が聞こえた。自慢気な様子と共にルーズリーフを見せられる。使用する公式はあっているが最後の最後に計算ミスをしてしまっていた。
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