となり『夕食はオレが奢るから。ラーメンでいいかな?』
任せる、と返して数十分。届いたメッセージを見返しているうちに、元気の良い足跡を響かせながら送り主が現れた。
「やあ、セス。もうしばらくかかると思っていたところだよ」
「思ったより早く着いたみたいだな、良かった! ほら、これ」
爽やかな声と共に突き出された大きな袋からは、カラフルな何かが透けて見えている。あまりにも見慣れたそれは。
「……珍しいね。インスタントラーメンはあまり好きじゃないものだと思っていたけれど」
「たまには、こういうのもいいかと思ったんだ。それに、今日はカップじゃないぞ。ほら、袋麺だ! これなら、テイクアウトとそう大きく変わらない……よな?」
1939