お泊まりの朝土曜日の朝は、桜にとってとても特別なものだ。理由は他でもない、彼の恋人である十亀がいるから。
数ヶ月前から誠実なお付き合いを始めた二人は、定期的にどちらかの家にお泊まりをしていた。十亀は一人暮らしではないので、大体は桜の家に泊まる。
泊まるのはいつも金曜日で、一週間の終わりを、二人きりでゆったりと過ごすのが彼らの楽しみ。
泊まりの時は想い人と過ごす夜ということで桜もリラックスできるのかいつもよりも遅い時間まで寝ていて、大抵十亀の方が早く起きて朝食の準備をしている。
そして後から起きた桜がキッチンにいる十亀を見つけて後ろから抱きついたり、時には朝食の準備を手伝ったりする。これが二人の土曜日の朝のルーティーンだった。
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