奏はまふゆに、瑞希は絵名に恋情に似た何かを抱えていたが、ある日まふゆと絵名が付き合った。
2人の幸せそうな顔を見て自分達も嬉しいはずなのに欠乏感に苛まれる奏と瑞希は自然と2人でいるようになる。
「…消えちゃいたいなぁ」
「…何処か遠くへ行ってみる?」
消えたいと溢した瑞希に、奏は静かに提案した。
「…2人で?」
「うん」
「…一緒に居てくれるの?」
「うん」
そっかぁと気の抜けた返事をしながらも、瑞希の表情は嬉しそうで。
「じゃあまずは桜を見に行こう」
「4人で見たやつ?」
「そうそう」
「その次は?」
「当てのない旅もいいよね」
「ネタ切れ早いね」
「でも奏、付き合ってくれるんでしょ?」
「うん」
っていう感じで傷の舐め合いが如く2人で逃避行するかなみず。
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