今日は、推しの神代類くんの生配信がある日。そわそわしながらパソコンの前で待機している。始まる時間まであと10分くらいあるけど、チャット欄は既にコメントで溢れかえっていた。
類くんは、天馬司くんとペアでユニットを組んでるアイドルで、私が類くんを好きになったのは今から数年前。友達に半ば無理やり動画を見せられて、まんまとその魅力に虜になってしまった。その友達は司くん推しだったから、私が類くん推しになってくれたことにとても喜んでくれた。それからはもう、その友達と二人で推し事に勤しんでいる。
「はぁ…もう少しだ……」
「落ち着きなって!いい加減慣れれば?」
今日もその友達と一緒に配信を見る予定で、毎回類くんの配信が始まる前に緊張してる私を笑いながら隣で酎ハイの缶を呷っている。私に類くんを教えてくれた頃の彼女は未成年だったのに、時が経つのは早いものだ。今日は類くんの配信だからこんなだけど、司くんの配信の時は私と同じ状況になるくせにどの口が言ってるんだと言い返してやった。もちろん、司くんと類くんが二人で配信する時は私達も二人一緒になって緊張しているからもっと地獄絵図だ。
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