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    しゆゆ

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    しゆゆ

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    ドルパロ🌟🎈〜配信編〜
    二人のオタク目線の話

    #司類
    TsukasaRui

    今日は、推しの神代類くんの生配信がある日。そわそわしながらパソコンの前で待機している。始まる時間まであと10分くらいあるけど、チャット欄は既にコメントで溢れかえっていた。
    類くんは、天馬司くんとペアでユニットを組んでるアイドルで、私が類くんを好きになったのは今から数年前。友達に半ば無理やり動画を見せられて、まんまとその魅力に虜になってしまった。その友達は司くん推しだったから、私が類くん推しになってくれたことにとても喜んでくれた。それからはもう、その友達と二人で推し事に勤しんでいる。

    「はぁ…もう少しだ……」
    「落ち着きなって!いい加減慣れれば?」

    今日もその友達と一緒に配信を見る予定で、毎回類くんの配信が始まる前に緊張してる私を笑いながら隣で酎ハイの缶を呷っている。私に類くんを教えてくれた頃の彼女は未成年だったのに、時が経つのは早いものだ。今日は類くんの配信だからこんなだけど、司くんの配信の時は私と同じ状況になるくせにどの口が言ってるんだと言い返してやった。もちろん、司くんと類くんが二人で配信する時は私達も二人一緒になって緊張しているからもっと地獄絵図だ。

    「あ、はじまった…!」

    そんなことをしていれば、配信が始まった。画面がパッと明るくなったと思ったら、類くんの顔がドアップで映ってて思わず後ろにひっくりかえりそうになった。

    『始まってるよね、映ってるね…よし』

    どうやら画角調整をしていたみたいだ。顔面の良さで殴ってくるのはいつものことだけど、やはり何年経っても慣れる事は無い。今日はおうち配信らしい。ステージの上の煌びやかな衣装とは違って、オーバーサイズのパーカー姿の類くんもすごくかっこいい。カメラに向かって振ってくれているその手は萌え袖気味で、それもまた私達のことを喜ばせてしまっている。

    『みんな、こんばんは。神代類だよ。今日も一日お疲れ様』

    そうやってファンのことを労わってくれるのがどれだけ嬉しいことか、類くんにそう言われるだけでまた明日からも頑張ろうって思えちゃうんだから本当に好きな人の力ってすごい。その尊さに耐える為に、腕に抱えた特大サイズの類くんのぬいぐるみは悲鳴をあげそうなくらいきつく抱き締められている。

    「類くん今日いつもよりふわふわじゃない?」
    「ね〜!オフだったのかな??コメントしてみよ!」

    いつもふわふわっとした雰囲気の類くんだけど、今日は一段とラフな感じがする。おうち配信だからリラックスしてるのかもしれない。そんな姿まで見せてくれるなんてどこまで私たちを喜ばせる気なんだろう。そう思いながら、物凄い速さで流れていくチャット欄にコメントを打ち込んだ。もちろんこっちだってこの数の中拾ってもらえるなんて思ってもないけど、それでコメントしない理由にもならない。実際、みんな思ってることは同じのようで、似たようなコメントも沢山流れている。

    『いつもよりふわふわ?ふふ、そうかな?午前中だけお仕事して、午後からオフだったんだ』
    「そうなんだ〜!!それなのに配信してくれてありがとうありがとう類くん…」
    「ちょっと拝むのやめて〜」

    私達のコメントに反応してくれた類くんに向かって手を合わせると、隣から笑い声が聞こえてくる。そっちだっていつも司くんのポスターに話しかけてるくせに。

    『そうだ、みんな新しい曲聴いてくれたかな?フフ、MVもいい感じだったろう?』

    ここで話題は昨夜投稿されたばかりの新曲の話に。いつも元気系の曲というか溌剌とした曲を歌うことが多い二人には珍しく、クールでセクシーさが目立つ曲調とMVに昨日から何度再生したかわからない。類くんはただでさえ色気がすごいのに、あんなことしてしまったら危ない。存在が色気だ。

    「はぁ…思い出すだけで苦しい……」
    「ほんとそれなぁ……司くんあんな表情も出来ちゃうんだもん……」

    そう言いながら自分のスマホでその曲を再生し始めた友達に、命の危機を感じてすぐにやめさせた。目の前にこのふわふわの類くんがいるのにそっちの類くんも同時接種してしまったらどうなるかわからない。ギャップで死んでしまう。友達も元から見るつもりもなかったようで、大人しくスマホを閉じてくれた。

    『いつもとは少し違う僕達をみんなに見せたいね、って司くんと話してたんだよ。…………ね?』

    そう言いながら、類くんはカメラ越しの私たちではなく自分の部屋の中にいるであろう誰かに同意を求めた。その瞬間、コメントの流れが一気に早くなる。私はもちろん、もっと酷いのは隣で余裕ぶっこいてた友達だ。

    「もしかして…」
    「まってまってまってまってまってやばいやばいやばい、これいる?いるの?そこに????」

    類くんは未だに私たちには姿の見えない何者かに向かってにこにこ笑ってる。でも私にはわかる。そしてもちろん、友達だってこの配信を見てるファンならわかる。この類くんの楽しそうで幸せそうな、心のうちまで晒すような笑顔。これを作れるのは、一人しかいないから。

    『……おい、類。今日はお前の配信だからオレは見てるだけだって言っただろう』
    「きゃあああああああああああああああ」

    カメラ外から聞こえてきた聞き慣れた声のすぐ後、隣から絶叫が聞こえてきた。思わず耳を塞いだが、気持ちはわかるので咎めはしない。

    『でも、すぐそこに司くんがいたら話しかけちゃうよ』
    『ぐっ…』

    類くん必殺のあざとさに司くんが唸るのはいつものことだ。類くんはずっとにこにこしてる。はぁ、とため息が聞こえて、司くんはいよいよ画面に入ってきた。

    『まぁ、こうなったらオレもきちんとしよう!天馬司だ!』

    得意のかっこいいポーズを決めながら挨拶してくれた司くんに、友達はかっこいいかっこいいと転がっているが、それよりも目を引くのはその格好だ。

    「お、お、おおおおそろいの、パーカー…?」
    「え、」

    チャット欄も司くんの登場のことについてよりも類くんと色違いでお揃いのパーカーを司くんが着ていることでいっぱいだ。司くんが白、類くんが黒のパーカーはもちろんグッズなどではない。

    『む、お揃いお揃いって…あぁ、パーカーのことか?』
    『あぁ、そういえば忘れてたね』

    どうやら二人はお揃いなことを全然気にしていないらしく、それどころか普通に忘れていたらしい。通常運転と言われれば、まぁそうかもしれないけど。いちいち騒いで勘ぐって勝手に喜ぶのがオタクというものだ。

    『これはね、今日司くんと一緒に買ってきたんだよ』
    『午後からオフだったのはオレもだからな!久しぶりに類と買い物に出かけたんだ』
    『司くんは僕のサイズよりも2サイズも下なんだよ』
    『オレはピッタリ着たいから自分のサイズを買ったんだ!お前が自分のサイズよりも大きいのを買うからだろう!』
    『ふふ、そういうことにしておくよ』

    やいのやいのと二人は話しているが、私達の頭の中はもう司くんと類くんは今日デートだったんだ、ということで頭がいっぱいだ。もちろん二人がどんな関係なのかなんて、公式な発表は何もされていない。だけど、二人を見てたらどうしてもそういう関係に見えることもあって、そういうのが好きなのもオタクの習性なのであって。だけど、それをあまり公に話すものでもない。マナーは大事だ。
    ……だけど。

    『ふふ、久しぶりに二人で出かけられて楽しかったね』
    『そうだな!いつも一緒にいはしても、プライベートの時間もまた特別だからな』
    『うん。またデートしようね、司くん』


    だけど!!!


    『で、デート!?』
    『おや、違うのかい?』
    『違う!今日のはただのお出かけだ!』
    『おや……』


    だけど!!!!!


    『オレは初デートは完璧に決める男だからな!』
    『え?』
    『きちんと予定を立てて改めて誘うぞ、類』
    『………そ、っか』


    こんなこと言われたらもうこっちだって言ってもいいと思う!!

    司くんにデートじゃないって言われて落ち込んでる類くんも初デートは完璧に決める司くんも照れて耳まで赤くしてる類くんもそれを愛おしげに見つめる司くんも、全部が全部二人の関係性を物語っている。あぁ、チャット欄も大変なことだ。きっとSNSだってトレンド入り間違いない。

    「き、今日は随分飛ばすね、二人……」
    「うん…いつも距離は近いけど、何かあったのかな……」
    「いやあったでしょ、だって、初デートよ?」
    「………………………………うん」

    近いうちになにか発表があるかもしれないし、もしかしたらないかもしれない。あってもなくても、私達はどんな二人のことも応援するって決めてるから今まで通り推し事は継続するけど。

    『つ、司くん!みんな僕達がどうしたって言ってるよ!君が変な事言うからだ!』
    『あとは類次第なんだがな』
    『……やっぱり君を呼ぶの今日は辞めればよかったよ』
    『今更遅いが…ならオレは夕飯でも作ってくるか!』
    『はぁ…全く。司くんのファンの子達、ごめんよ。彼の出番はもうおしまいにしちゃった』
    『類ーーー!お前また野菜を買ってこなかったな!』

    この人たちもう隠す気もないんだろうな、なんてもはや達観出来るようになってきた。そもそも、二人はお互いの家をよく行き来しているだけで一緒に住んではいないって前言ってたけど、実際のところそれも怪しくなってくる。そのうち同棲します、なんて言われる日も遠くないかもしれない。

    『みんな、本当にお騒がせしたね。気にしないでくれたまえ。それより、近々みんなにいい報告が出来そうなんだ!きっと喜んでもらえるから、楽しみにしていてね』

    いい報告なんて、今聞くと結婚ですかなんて考えも思い浮かんでくるが、類くんはきっと全然そんなこと思ってなくて私たちを喜ばせることを用意していてくれるんだろう。

    「えー!なんだろうね、ライブとか?」
    「アルバムの可能性もない?」
    「アルバムからのライブだったりして!?」
    「うわぁー!最高なやつ!!」

    今日も明日も明後日もずっと先も、私たちは彼らの言葉ひとつで生きがいを見出して生きていく。それに変わりは無い。類くんが、司くんが、幸せでいてくれることがファンの私にとっては何より嬉しいことだ。それに、私たちを喜ばせられると思ってわくわくして嬉しそうに笑っている類くんの笑顔を見ていると私たちのことを何より大事に思ってくれているのが伝わってくる。そんな彼らを推せることをこれからも誇りに思う。

    『じゃあ、今日はこの辺で終わりにしようかな?来てくれたみんな、ありがとう。ゆっくり休んでね』

    ばいばい、と手を振る類くんに画面越しで私も手を振った。画面が暗くなっても尚、お疲れ様のコメントでチャット欄の流れはしばらくおさまる気配は無い。

    「はぁ〜〜今日もかっこよかったぁ…」
    「司くんもいたのにこんな格好で酒まで片手に…次からは類くんの配信の時も可愛くいなくちゃ」

    推しの供給に充足感を得ながら、私と友達は冷蔵庫からアルコールの缶を取り出して乾杯した。
    二人のプライドにもアイドル活動にも、私たちのこれからの推し活にも、幸あれ!!!
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    しゆゆ

    DOODLEドルパロ🌟🎈〜配信編〜
    二人のオタク目線の話
    今日は、推しの神代類くんの生配信がある日。そわそわしながらパソコンの前で待機している。始まる時間まであと10分くらいあるけど、チャット欄は既にコメントで溢れかえっていた。
    類くんは、天馬司くんとペアでユニットを組んでるアイドルで、私が類くんを好きになったのは今から数年前。友達に半ば無理やり動画を見せられて、まんまとその魅力に虜になってしまった。その友達は司くん推しだったから、私が類くん推しになってくれたことにとても喜んでくれた。それからはもう、その友達と二人で推し事に勤しんでいる。

    「はぁ…もう少しだ……」
    「落ち着きなって!いい加減慣れれば?」

    今日もその友達と一緒に配信を見る予定で、毎回類くんの配信が始まる前に緊張してる私を笑いながら隣で酎ハイの缶を呷っている。私に類くんを教えてくれた頃の彼女は未成年だったのに、時が経つのは早いものだ。今日は類くんの配信だからこんなだけど、司くんの配信の時は私と同じ状況になるくせにどの口が言ってるんだと言い返してやった。もちろん、司くんと類くんが二人で配信する時は私達も二人一緒になって緊張しているからもっと地獄絵図だ。
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