静+凛「凛太郎…もう帰ろう。ああ、そんなに汚してしまって…」
「しずにぃ……、」
呟いてこちらを見る凛太郎は笑っている筈なのに、私には何の感情も感じ取れなかった。
頭のてっぺんから足の先まで血に塗れて、それでも尚死体を嬲る手は止まらない。
「ねぇ、おかしいよね。おれ……これで勃起するんだぁ」
そう言って自分の股間を撫でる幼い弟の姿はとてもまともとは言えないのだろう。
だが私は知っている。
これが彼の正常なのだ。
凛太郎は数年前から殺人衝動を抱えている。
原因は近親相姦によって出来た子供によく見られる疾患。
凛太郎は身体的な影響こそ出なかったものの、精神は様々なものが欠落していた。
だから私が教えなければならない。
この歪な世界で生きていくために。
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