不良品と欠陥品ようやく平穏を取り戻したわたし達の前に、それは現れた。
「やあ、あの時は色々とお世話になったね」
“ソレ”が再び現れた時、これが悪い夢だったらどれほどに良かっただろうと心から思った。
マスタークラウン。忌まわしき悪夢。わたしから一度大切なものを奪ったそれが目の前に現れた時の絶望感は計り知れないものだった。
目の前が真っ暗になるとはあのような感覚なのだろう。
わたしが辛うじて覚えていたのは、きょとんとしたカービィの顔、マホロアを自分の後ろに隠すデデデ大王、無言でギャラクシアを抜くメタナイト、腰を抜かすバンダナワドルディ。
そして呆然とした表情で固まるマホロアを見ながら、アイツだけが面白そうに笑っている。
そんな光景だった。
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