つきしまのお誕生日会 とても恥ずかしそうに頬どころか耳まで真っ赤にした鯉登は、何か言おうと口をモゴモゴと動かして、なかなか話を切り出さなかった。最初はトイレに行きたいのかと思ったのだけど、そうではなさそうで。
「誕生日……」
やっと口を開いたと思ったら、その一言だけ。ああ、来週の俺の誕生日かな。四月一日、春休み中だ。
「なに、遊んでくれんの?」
「えっ! 遊んでくれんのか⁉︎」
「いや俺が聞いてんだけど」
ハッと思いついた顔をした鯉登は背後に隠し持っていた手紙をやっと差し出した。月島は途中から気付いていたが、言ったらわざとらしい気がして黙っていた。ずっと握っていたからか、汗で所々ふやけた動物柄のいかにも好きそうな封筒。
「見ていいの?」
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