窓の外 窓の外から聞こえる雨音に、オレは深々と溜息をついた。
『連日の秋雨前線による雨雲は、今後も暫く停滞する模様で……』
テレビからは何も面白くない情報ばかりが流れてくる。昨日も雨だった。一昨日も雨だった。今日こそはと期待したが、天気予報は変わらずの傘マーク。そして予報通りの雨。雨。雨。どうせ明日も雨だろう。明後日だって雨なんだ、きっと。
じめじめした天気に気持ちまで連鎖反応してしまったのだろうか。いつになく腐った気持ちで、オレは自分のスマートフォンを手に取る。数時間前のやり取りを思い出して、腹の底がムカムカした。その原因のメッセージアプリの、アイコンすらも憎らしい。
「類の馬鹿者」
大学入学を機に、オレは類とルームシェアを始めた。同じ鍵を持って、同じ家に帰って。お互いに「おかえり」と「ただいま」に慣れ始めた最近は、二人で日々の生活を共にすることにソワソワする気持ちもすっかり落ち着いてきた。
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