お題【歯形 ・ 煽る】 それは種族故の特徴だろうか?それともこの男に限った事なのだろうか?
目の前で新聞に目を通している白い男を眺めながら、水木は思考する。白い髪に白い肌。いつも通りではあるが、いつもとは異なる点が一つ。
なあ…ソレって…そう呼びかけようとして、男と目が合って言葉を飲み込んだ。
「なんじゃ、そんなにジッと見つめられては穴が空いてしまうかもしれんのう」
困ったのうとゲゲ郎が口の端を上げてそんなことを言う。
「ハッ、少し自意識過剰なんじゃないか?」
気が付けばそんな言葉が口から漏れていた。
「そうかのう…それで?おぬしは一体何を見ておったのじゃ?」
「ああ、お前のソレ…痛くはないのか?」
ゲゲ郎は、ああ、これか?と首筋にあるその場所を片手でそっと撫でるように隠した。
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