まだ決まってないよ。「うっそだろ!? レポートの提出期限明日だぞ!?」
深夜の隊室に響き渡る太刀川の悲痛な叫びと、耳をつんざくようなビープ音。その太刀川の目の前には、ブルーバックのまま固まったノートパソコンの画面と、気持ち程度に友人や先輩が貸してくれた参考資料の本の山。
「ありえねぇ! マジでありえねぇ! このレポートで俺の留年の可能性が変わるんだぞ!?」
風間さんは今任務中、諏訪さんは麻雀でもして負け続けているのか、連絡がつかない。それに付き合ってるのであろう堤も当然連絡がつかない。加古も二宮も助けてくれないのは火を見るより明らか。
とりあえずスイッチを長押しすることでパソコンの電源を落とし、苛立ちを助長するビープ音だけは何とかしたが、今度はどこを何度押しても電源が入らなくなったパソコンの黒い画面を見つめて、呆然とするしかなかった。
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