連盟に仇なす毒蛇は新月の夜に哭く※長の鉄兜入手後のマダラス弟独白
------
…ふと自嘲の笑みが浮かぶ。
あの人が守り、残したもの…連盟、に、仇なす「虫」は…結局、己自身だったのかと。
いいや。違う。
己は「蛇」だ。全てを喰い殺し、途方もなく育つ毒蛇。
目を閉じて深く息を吸う。
あの人に会って…そして救われた遠い日から、片時も忘れず脳裏に焼いた文字を、
感傷とよぶにはまばゆい記憶とともに、
引き剥がした。
…。
……。
誰がゆるそうと。
誰が認めようと。
決して己はゆるしはしない。
認めなどするものか。
…たとえ、これが、あの人が待ち望んだ結末だとしても。
自分にとっての
「連盟の長」
は、あの人しかいないのだから。
もはや自らに残った最後の繋がり…
この手で葬った家族との絆…そして呪いの笛を吹き鳴らす。
1356