変身『純 虫になっちゃったの?!』
今日子さんの素っ頓狂な声が、部屋中に響き渡りました。
朝、今日子さんが自宅のソファで目覚めると、ちょこんと触覚の生えた、灰色の一匹の芋虫が目の前にいました。
昨夜、何十回目かのお見合いが失敗して、純さんをヤケ酒に付き合わせていたのです。
寝る前は確かに純さんがいたはずなのに、何故か姿は見えず、見知らぬ虫が一匹…。
何と恐ろしいことに『姉さん、俺です。純です!』などと喋り出したのです。
まだ夢の中だったかしら…そう思い、今日子さんは頬をつねりましたが、じんじんと痛みを感じます。
『なぜか分かりませんが、朝起きたらこんな姿に…』
『ええ〜大変じゃない! 今日の仕事はどうするのよ?! というか体は大丈夫なの?!』
6752