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    kotobuki_enst

    文字ばっかり。絵はTwitterの方にあげます。

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    kotobuki_enst

    DONEスバあん。愛しているのでいざそういう時が来たら自由にさせてあげたいプロデューサーと無関心っぽさが普通に寂しいスバル。
    女神の深情け「スバルくん」

     声がした方を振り向けば、スーツ姿のあんずが小走りでこちらへ駆けて来ていた。一昨日ぶりに見る彼女の姿に思わず駆け足で迎えに行く。

    「あんず〜!やっほやっほ!そんなに急いでどうしたの?」
    「わっ、こら、抱きつかないで」

     腕の中に閉じ込めたあんずが腕をじたばたと動かす。三年生になってからというもの抱き締めることにいい顔をしなくなったあんずだけれど、なんだかんだ許してくれるときと本当に駄目なときの違いくらいはわかる。周りにファンの人とかスタッフとか、英智先輩とかがいるときは駄目なとき。本当に駄目なときは真面目な顔で怒られるけど、許してくれるときはふわ〜とした顔で「しょうがないなぁ」って笑ってくれる。今だって一応周りを確認して、廊下に他の誰もいないことを確かめてから抱きしめたのに。あんずに怒られるのは寂しいので、仕方なく腕をゆるめて彼女を解放した。あんずは少しよれてしまったスーツのジャケットを正すと、神妙な顔つきでこちらを見ながら自らの首筋を指差した。
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