独歩が過去に跳ぶ話。ヒプノシススピーカーーーー
「いや、起動はしてないな…」
右手を見ても旧型モバイルは無かった。
では、これはなんだ?
目の前、否ーーー
360度全て独歩のヒプノシススピーカーが浮かんでいる。そして無限に続く真っ白な部屋。
スピーカーであるPCがノイズを散らしながら、何かを流している。
全く身に覚えが無く、
どうしてここに居るのか分からないが、
ひたすらに続く空間に少し恐怖がある。
夢、だと思いたいし、早く覚めて欲しい。
いくら普段から独りにしてくれ、と思っていてもこんな無機質な空間には居たくない。
寂雷先生、一二三…
助けてくれ…
入間、さん…
パン!
彼の顔が浮かんだ瞬間、目頭が熱くなり泣きそうになった。
ダメだ、こんな所早く出なくては!
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