目を開けると一面の空であった。少し明るくなってきているが日はまだ見えない。
記憶を遡るのには時間がかかった。死の湖にて儀式が終わったのは夜遅く。そこからミスラが眠りについて、私もいつの間にか寝てしまっていたらしい。起き上がって周りを見渡すと、寝そべってこちらを見ていた視線とぶつかった。
「おはようございます」
「ミスラ、おはようございます。あまり眠れなかったんですか」
「三回までは寝られました」
私が寝ている間も、起きては手を握ってを繰り返していたらしい。よく見れば手はミスラのものと繋がれたままであった。これは四、五回目ということだろうか。
「ミスラ、寝てしまってすみません。あの、扉を魔法舎に繋げてもらっても良いでしょうか。儀式をすることしかみんなに言ってないので早く戻らないと」
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