オフホワイトの彼女「ふぅ……」
分厚く、薄暗い雲が重なる昼下がり。
綺麗に髪を束ねたアナウンサーが、強い雨に注意してくださいと二度、三度と繰り返す。
まだ乾いてない洗濯物を取り込みながら、思考は四歳年下のあの子の元へと流れて行く。
傘は持って行ったのだろうか。
あの子と知り合ってもう三度目の梅雨。
襟足だけ伸ばされた髪型は変わらず、しかしうんと綺麗になった志歩は、大学に通う傍ら、相変わらずバンド活動に勤しんでいた。
最近はイベントで演奏して欲しいと声がかかるようになり、着々とファンを増やしているらしい。メジャーデビューこそしていないものの、その人気はデビューしたてのStandoutと大差ない____いや、彼女達の方が上だろうか。
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