カシャン…!パチン……!じんわりと伝わる鈍い痛み。気づけば4つめのピアスの穴が俺の耳に開いた。
ピアスを開ける時の痛みには慣れたけど、あいつの隣に違う誰かが並ぶことの痛さにはまだ慣れない。
高三の途中まで俺と宗介は所謂恋人同士だった。卒業後の進路でそばにいられないことを悲観した俺が宗介に別れを告げた。別れてから退寮するまでの間も特にギクシャクすることなく過ごしていたように思う。
卒業する少し前だろうか風呂上がりの宗介が暑いからと部屋でスウェットの上をおもむろに脱いだら鎖骨あたりにキスマークがあるのに気がついてしまった。思わず釘付けになり、「そ宗介……それ……」その言葉の先につまっていると、「ん?おぉ……これか。彼女につけられちまったのかな…。」とキスマークを撫でながら2段ベットの上へと登ってしまった。
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