平日の昼間。
いつも通り流と辻は楽屋で台本を見ながら自分達の出番を待っていた。
辻が台本を読むのに疲れた頃、何かを思い出したかのように流へ話しかけた。
「高校生の時、流さんはなんで僕に声掛けたの?」
「そりゃ辻が一人で過ごしてたから気になって…華の高校生が三年間一人で過ごすなんて辛くない?」
中学時代、自分の知性や言動を酷くいじられた以来人との付き合いを拒んでいた。
だが、そんな辻に正面から絡んできたのは
阿賀月 流、彼だった。
その頃から感じていた疑問をぶつけるも、真っ当な返答に言葉を詰まらせる。その様子を見た流は「どしたの?」と言いたげに首を傾げては辻の返事を待っている。
「や、そ…そうかな?だとしても今も付き合いがあるのが不思議だなと思って。
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