夢の森で出会う話目が覚めた。たしかに、そういう感覚だった。
意識がはっきりしてきて最初に思い出したのは、自分が昨日、目覚ましのアラームをかけ忘れて、自宅の床で寝落ちをしたことだった。気がついた瞬間、サッと血の気が引いた。今は何時?日は昇った?通勤の電車には間に合う?私、シャワーも浴びていないのに。
焦燥感に駆られて、がばりと起き上がると、晶は我が目を疑った。そこは自分の部屋ではなかった。それどころか、幻想的な森のような景色が広がっている。森は薄暗く鬱蒼としており、キラキラと神秘的な光を放つ、大きな宝石のようなものがあちこち無造作に生えていた。晶は起き上がろうとして、肘をつくと、湿った土の地面にも、宝石の放つプリズムが写り込んでいる。美しい。イルミネーションみたいだ。
7685