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    Kin_ak00

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    Kin_ak00

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    オー晶♀オンリー展示品

    ※晶が社会人

    夢の森で出会う話目が覚めた。たしかに、そういう感覚だった。
     意識がはっきりしてきて最初に思い出したのは、自分が昨日、目覚ましのアラームをかけ忘れて、自宅の床で寝落ちをしたことだった。気がついた瞬間、サッと血の気が引いた。今は何時?日は昇った?通勤の電車には間に合う?私、シャワーも浴びていないのに。
     焦燥感に駆られて、がばりと起き上がると、晶は我が目を疑った。そこは自分の部屋ではなかった。それどころか、幻想的な森のような景色が広がっている。森は薄暗く鬱蒼としており、キラキラと神秘的な光を放つ、大きな宝石のようなものがあちこち無造作に生えていた。晶は起き上がろうとして、肘をつくと、湿った土の地面にも、宝石の放つプリズムが写り込んでいる。美しい。イルミネーションみたいだ。
     そして確信する。ここは夢の中なのだろうと。
     夢だと自覚してしまえば不安はなくなった。明日の仕事へ遅刻はしなくて済みそうである。出来れば今の時刻を確認したいけれど、じきに目はさめるだろう。夢を覚えているときは眠りが浅いタイミングだと聞いたことがあるし。
     晶は立ちあがり、服についた土を払おうとすると、自分が見知らぬ衣服を身にまとっていることに気がついた。白い上着に、深い赤色のベストに、黒のスラックス。フードのついたスーツのような…生地に厚みのある、着心地のいい仕立ての綺麗な洋服だった。眠ったときは朝から着ていてくたびれた服のままだった筈なのに。変な夢だ。

     せっかくなので、この幻想的な森を散策することにした。どこを撮っても、とても写真映えをしそうな景色だ。進んでも、進んでも、美しく輝くイルミネーションのような光景が続いている。そしてふと、この森に果てはあるのだろうかと気づいた。晶はゾッとした。なんの生き物の気配もしないことに気がついたからだった。そしてふと、視界の端に、なにか白くて、小刻みに動くものを捉えた。小走りになって近づいてみると、どうやらそれは人のような形をしている。

     大木の下に、思わず息を飲むほど美しい男が落ちていた。銀色の髪に、生気のない青白い肌。まるで精巧に出来たビスクドールのようだった。しかし、腹から夥しい量の血を流している。晶はファンタジー(もしくはホラー)だと高をくくっていた夢の中の、突然のグロテスクな方向転換に、思わずヒッ…と悲鳴を噛み殺した。男もこちらの気配に気がついたようで、警戒の色を隠さずに射殺すような鋭い目線をこちらへ寄越すと、ぎょっとした顔をした。

    「なんできみがいるの?」

     信じられないものを見るように、男は目をいっぱいに見開いていた。目の前の大怪我をした美しい男と晶は知り合いという設定なのだろうか。夢は願望の表れと言うけれど、晶は自分の頭が信じられなくなった

    「あの、お腹からすごく血が…大丈夫ですか?」

     視線が交わった男の目は、左右で色が違っていた。右が薄紅で、左が蜂蜜みたいな色。男は怪訝そうな顔をした。

    「…お前、もしかして覚えてないの?」
    「えっと…というと、私と貴方は知り合い、なんでしょうか?」

     瞬時に男は恐ろしいほど眉を吊り上げた。彼の機嫌が急降下したことが晶にも分かった。

    「ふざけるなよ。」
    「…すみません。私起きたら突然ここにいて…。」
    「ほんとう、何もかも、最悪だ。」

     会話をかみ合わせる気がないらしい男は、そのまま全身の力を抜いて大きな木の根に寝転がってしまった。腹部から尋常じゃない量の血が垂れ流れている。内臓のようなものまで見えて、晶は咄嗟に目を逸らした。あまりにショッキングな光景で夢に見そうだ…いや此処が夢の中だった…と静かに混乱していた。では自分はこれで…と、このまま置いて去るのも違う気がして、晶は絶対に腹部を視界に入れないようにしながら、男の傍らに膝をついた。

    「救急車を呼びましょうか?」
    「…なに、きゅうきゅうしゃって。」

     無垢な子どもみたいな質問だった。救急車を知らないなんてこと、あるのだろうか。出血が酷くて、頭の回転も鈍くなっているのかもしれない。周りを見渡すと、木々も深く、人が歩いた道のようなものも見当たらない。近くに車通りのない地域なのかもしれない。

    「えっと、では、誰か助けを求められそうな人を探してきます。」
    「ここにそんなやついるわけないだろ。」
    「そう、なんですか?じゃあ、ここはどこなんでしょうか?」

     晶はポケットに入れっぱなしのスマホで検索をかけようとしたのだ。電波が通じるといいけれど…と考えたところで、自分の身にまとう衣服が見知らぬものであることを思い出した。ジャケットに入れていたスマホは、手元に無さそうである。聞いたところでわからないかもしれない、と晶は気まずくなったが、男は一言吐き捨てるように答えた。

    「夢の森」




     晶はホッと息を吐いた。なんだ、ここは夢なんだ。

    「やっぱり夢の中なんですね」
    「やっぱりって、お前、忘れてるんだろ。本当にここは碌な夢を見せてこない。はあむかつく…。全部壊してぐちゃぐちゃにしてやりたい…。」

     呪詛を吐き出すような言い方だった。そ、そこまで言うだろうか。晶は結構引いた。

    「あの、私になにかできることとか…」
    「ないよ。あるわけない。なんの力もないお前なんかに。」

     男はバカにするような目を晶に向けた。傷つけてやろうという気持ちがありありと顔に浮かんでいた。

    「無力で非力で無知なきみ。何も出来ないくせに、君は弱っている生き物に手を差し伸べることで、自分の浅はかな心を満たして気持ちよくなりたいだけなんだ。だからボロボロで死にそうな僕を助けようなんて言うんだろ。お前は偽善者だね。」

     さすがにカチンときた。怒りと言ってもいい。夢の中で、ダラダラお腹から血を流して死にかけている見知らぬ男に、なんでここまで言われないといけないのだろう。それになんだか、これは晶にもよくわからなかったが、彼に歩み寄ってもらえないことが、何故かとても悲しかった。

    「…。嫌な気分にさせたのならごめんなさい。私がいると邪魔みたいなので、どこかへ行きますね。お腹、お大事にしてください。」
    「え。っちょ、待…」

     晶が憤慨したまま立ち上がると、男は目を見開いた。ほんとうに、そんなことは予想もしていなかったという風に。その表情は母親に置いて行かれる子どもみたいに、傷ついているようだった。少なくとも晶にはそう見えた。なので晶は、その場を離れる気持ちの勢いがくじかれてしまった。時間を巻き戻すみたいに、ゆっくりと同じ場所へ膝をつく。

    「…あなたが嫌でないなら、ここにいます。なにをしたらいいですか。私はあなたのことがわからないので、言葉にしてもらわないと、あなたがどうして欲しいのかわからないんです。」
    「…お前、ほんとうに覚えてないんだよね?」

     男はじっと晶の目を見つめた。晶の目の奥にあるかもしれない、何かを探すように。そして彼の思うものが見つからなかったのか、諦めたように、不貞腐れたように、そっと目線を逸らした。

    「じっとしてればそのうち治る。僕は死ねないから。…でも、ちゃんと痛いから、お前と話してると気が紛れる。暇つぶしになにか喋ってよ。」

     面白くなかったらその喉かききってやる。そう続ける男はおっかなかったが、でも彼は、晶が離れていかないことにホッとしているみたいだった。

    「きみの話を聞かせて。」

    ◯◯

    「…というわけで、定時を前に追加で上司に持ってこられた仕事が片付かないうちに、終電の時間になってしまって、昨日は帰宅してそのまま床で寝てしまった訳です。」

     男はベッドでくつろぐみたいに力を抜いて地面に寝転がりながら、興味なさそうに晶を見上げていた。うんともすんとも言わない。相槌もないので、男がなにを思っているのか晶はてんで分からず、糠に釘打ちでもしているような虚しさがあった。

    「あの、この話おもしろいですか?」
    「全然。退屈。」
    「そうですか…。」

     そういう割に、喉を掻き切るだとか先ほどの物騒な言葉は続かなかった。なぜだか、ちいさな子どもに絵本の続きを読んで?とせがまれているような、そういう雰囲気に感じる。

    「きみの話、さっぱり分からない言葉だらけ。前からそうだった。自分の知ってるものは当然相手も知ってると思い込んでる。自分本位で不親切だよね。」
    「え?どれがわからなかったですか?」
    「全部だよ、全部。」

     かいしゃ、つうきん、しゅうでん、すまほ。初めて見る言葉を読み上げるみたいに、男が復唱する単語はのっぺりとしていて、意味が伴っていないようだった。晶はびっくりした。こんなに会話がスムーズに行える相手が、自分と同じ文化圏でないことなどありえるのだろうか。もしかして、彼は人ではないのだろうか?

    「あなたって、神様かなにかなんですか?」
    「なんだよ突然。…僕がカミサマだったら、きみは僕を敬ってくれるの?僕に尽くして、なんでも捧げてくれる?」
    「いや、そこまで考えてなかったですけど…。」

     男はバカにするようにフンと鼻を鳴らすと「神様なんて、少なくとも僕は見たことない。」と言った。どうやら違うらしい。

    「神様じゃないとすれば、何なんでしょう。妖精?幽霊…だと言葉が通じる説明がつきませんよね…。」
    「人間って自分に理解できないことがあるとすぐに名前をつけたがるよね。馬鹿馬鹿しい。自分たちが全部を理解できるって思い込んでるからそんな風に考えるんだろ。傲慢だよね。」
    「そこまで言いますか…?あなたは人間ではないんですよね?」
    「は?当たり前だろ。バカにするなよな。」

     瞬時に男の声音が剣呑な色を帯び、目がつり上がって不機嫌になった。美形が怒ると怖いって本当なんだなと晶は思ったし、ひるんだ。彼にとって人間だと思われるのはよほど心外であるようだった。

    「じゃあ、あなたは何者なんですか?」
    「…魔法使い。」
    「魔法が使えるんですか?」
    「当たり前だろ。魔法使いなんだから。」
    「えっと、なにか見せてもらうことって…」
    「僕はこんなに傷ついてボロボロで血まみれなのに?それなのに君に魔法で奉仕しろなんて、君は自分のことしか考えてなくて、強欲で、ひどい人だね。」
    「あ、すみません…。あまりにあなたが元気に喋るので、忘れてました…。」
    「ふん。手、出して。」

     晶が両手のひらを差し出すと、男は口の中で転がすように何かを唱えた。言葉は聞き取れなかったけど、綺麗な声で綺麗な音を紡ぐなあと思った。すると晶の手のひらあたりが光って、ころころと何かが手の上を転がる感触がした。

    「これは・・・小さな星?こんぺいとうですか?」
    「シュガーだよ。」
    「綺麗ですね。くれるんですか?」
    「そんなわけないだろ。手が動かないんだ。僕の口に入れて。」

     あ、とひな鳥のように男は形の整った唇を薄く開いた。やっぱり小さな子どもみたいに無防備で、晶は絶対に自分を傷つけないという信頼があるように見えた。男の口腔内、舌に、なにか黒いシミのような模様が見えた。男の目線に早くしろという色が乗り始めたので、そっとちいさな星のかけらのようなものを唇の隙間に入れる。

    「ふふ、甘い。」

     少し機嫌が戻ったようだった。甘いものが好きなのだろうか。ころころ表情と機嫌が変わるお手本みたいな気分屋さんだ。甘える小さな子どものようで、気まぐれな猫のようで、人間ではない、人間離れした美貌を持つ、色気のある美しい男。一度会っていたのなら、きっと忘れる方が難しいだろう。

    「あなたは誰なんですか?」
    「君は物覚えが悪いんだね。さっき言っただろ。魔法使いだよ。」
    「そうではなくて…。あなたの名前が知りたくて。」
    「言わない。言いたくない。どうせお前はまた忘れる。」

     失望したみたいな言い方だった。男からしてみれば、彼と私は知り合いで、私はなにかを忘れているらしい。変な夢だ。せっかくなら、その辺りの設定もしっかりと作りこんでくれたらよかったのに。夢を見ている間だけだとしても、彼と仲良くなれたらよかったのに。

    「ねえ、僕らを忘れて能天気に生きるきみは、今幸せ?」
    「唐突ですね…。」

     一々引っかかる物言いをするなあと思った。刺々しい苛立ちをぶつけられている気がする。けれど嫌味をいう割に、興味深そうに真っ直ぐ見つめてくるので、晶は誤魔化したり、てきとうな言葉で濁す気持ちにはならなかった。慎重にきちんと言葉を選ぶ。

    「幸せ、なんだと思うんですけど…。」
    「なに、その含みを持たせた言い方。」
    「私は今のあなたみたいに、自分が死んでしまいそうなくらい傷つけられる可能性が、ゼロではないですけど、だけど生きている中では殆ど遠いところにあって。毎日仕事にでかけて、食事にも困ってなくて、ねこばあさんのところで猫と戯れることもできる。忙しかったり辛いこともあるけど、楽しいことも数え切れないくらいあって、十分たくさんのものを持ってる。満足するべきなんだと思うんです。だけど…。」
    「だけど?」

     晶は、自分が毎日、ぼんやりと抱えている違和感といま初めて向き合っていた。男は晶を焦らせたり、無理やり言葉を引き出したりすることなく、ただじっとその様子を眺めて、多分きっと続きを待っていた。

    「…何かはわからないんですけど。ずっと、物足りないんです。楽しく過ごしていても、私はなにかもっと、体の底から揺れ動くような感動や、予想もできない出来事や、満たされるような気持ちを知っていたような気がして…。」
    「ふうん。」
    「気のせいかもしれませんけどね。そう思っているだけで、具体的な覚えが何もないんです。」

     へえ、そう。と感慨なさそうに呟く男は、静かに瞼を閉じてしまった。なぜだか晶にはそれが満足そうな、喜色を孕んでいるような表情に見えた。

    「もうあまり時間がないかもしれない。」
    「え?」
    「多分だけど。僕のこの傷が治ったら、この夢も終わるんだと思う。」
    「そう、なんですか…。」
    「ふふ、さみしい?」
    「…はい、さみしいです。」

     男は真顔になった。何か、大きなものを飲み込むことに失敗したような顔だった。

    「お前、なにか願い事はある?」
    「え?魔法使いって願いを叶えられるんですか?」
    「さあ?聞かないとわからないだろ。」

     この短い時間の中で、男の言葉は毎度唐突だった。魔法を見せてくれる気になったのか、晶の言葉を聞いてまた意地の悪い言葉をつなげるつもりなのか。にたにたと笑う男の考えていることが、晶は全くわからない。

    「次に会えたときは、あなたが名前を教えてくれますように。」
    「…ばかじゃないの。」
    「叶えてくれますか?」
    「知らない。約束はしない。」

     期待はずれという表情を隠しもしなかった。

    「でも、そうだね。次があるのなら…きっと逆のことをしてあげる。」

     男は今日一番、安心したように、ほっとため息を零すようにそう呟いた。晶は、表情と言葉がちぐはぐなだなと思った。そして、酷い物言いばかりを繰り返すのに、晶に隠しきれない興味を示す、この男と離れることが寂しくなった。

    「あなたは何か願い事がありますか?」
    「なに、なんの力のないお前が、僕の願い事を叶えようっていうの?」
    「なんというか、一方的に叶えてもらうのも違うのかなって…。もしかしたら、私でも叶えられるかもしれないじゃないですか。」
    「僕に奉仕しようっていうのはいい心がけ。だけど、やっぱりお前は傲慢だね。」

     男は地面に肘をついて、のろのろと起き上がった。男の腹部は時間の経った血で赤黒く染まっていたけれど、もう傷はふさがっているようで、新しい血が流れてはいないようだった。男はそのまま、地面に座っていた晶の膝の上に頭を乗せると、またごろりと寝転がった。身体のすべての力を抜いて、ぜんぶを預けられて、甘えられている。
     男は晶を見上げた。薄紅と蜂蜜色の瞳。目があった瞬間、男は重力に垂れ下がる晶の髪を引っ張った。ぐん、と男と晶の顔が呼吸が届くほどの距離に近づく。晶が痛みに顔をしかめると、そのまま男は、ゆっくりと目を細めて、しっとりとした甘ったるい声で囁いた。

    「きみが月を見るたびに寂しくなって、恋しくて乾いて震えて、涙がとまらなくなりますように。」
    「ひ、酷いこと願いますね…。」
    「きっと叶えてね。」

     そう言うと男はパッと晶の髪の毛を離した。頭皮がずきずき痛かった。男に抗議しようとしたけれど、立ち眩みのように、くらりと急激に意識が遠のいていく。男の言う通り、本当に終わりの時間が来たようだった。目の前が白い霧に飲み込まれていく。まだ、私は彼にお別れを言えていないのに。咄嗟にそう思った。

    「バイバイ、賢者様。本当に、最悪な夢だったよ。」

    ◯◯◯

     目が醒めた。たしかに、そういう感覚があった。
     ハッと起き上がると、自分の部屋の床に転がっていたようだった。結構な時間眠っていたようで、身体がパキパキと硬い。服に皺がよっている。閉め忘れたカーテンが開いていて、窓の奥に広がる空は真っ暗で、小さくて豆粒みたいな月が浮かんでいた。まだ夜は明けていなかったのだ。
     唐突に、すべてを思い出した。自分の魔法使いのこと。魔法使いの存在する世界のことを。

    「オーエン…。」

     酷い怪我を負っていた。夢の森。北の国の、彼に縁のある場所だ。変わらない。またミスラと殺し合いでもしたのだろうか。彼の怪我は大丈夫だったのだろうか。

    「酷い、ひどいですよオーエン…。」

     忘れていた、本当にさっぱりとすべてを忘れていた。エレベーターの先にある、魔法使いが存在する世界のことを。自分を信頼して心を通わせて、あたたかい気持ちや気遣いをくれた、やさしい魔法使いたちのことを。
     忘れてしまっていた。だから、寂しいなんて気持ちはなかった。物足りなさに名前も形もないから知らないふりができた。だけど思い出してしまった。ぼろぼろとこぼれ出る涙が止まらない。これが安心なのか、歓喜なのか、寂しいのか、苦しいのか、晶は自分の感情の出処がもうわからなかった。

     どんなに恋しく思っても、渇望しても、彼らに、彼には会えない。もう夢の中ですら会えるのかわからない。あんまりだ。美しくて、意地悪で、ひどい魔法使いだ。

    「オーエン、あなたの願い事、叶いましたよ…次はあなたが叶えてくださいよ、オーエン…。」

     空に小さく灯る月は、白んだ空に滲んで消えかかっていた。
     夢は終わり、もうすぐ朝が来る。
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