それなら先輩は宇宙一かわいい(仮) 文化祭の準備真っ最中。
クラスの出し物である演劇のため、背景に木材を打ち付けていると、制服のポケットに入れたスマホが震えた。
本部からの連絡だろうか。と、片手で木材を押さえながら急いでスマホを見ると、犬飼先輩からのメッセージ。
『そっち、終わった?』
教室を見渡してから、そのままの体制でメッセージを返す。
『まだ、ですけどあと三十分くらいです』
『りょーかい。じゃ、三十分後に視聴覚室ね』
待ち合わせて本部に向かうだけなら、玄関とかで良さそうなのに、と首を傾げつつ『辻、了解』と返信して、スマホをポケットに仕舞った。
カラカラと音を立てて視聴覚室の戸を開ける。
電気の付いていない薄暗い教室に差し込む太陽の光で、窓際に人がいるのが分かった。
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