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    付き合ってる犬辻。女装攻め。来年2月の吾が手で本になってたら褒めてください。

    #おれの後輩が世界一かわいい

    #犬辻
    tsuji
    #おれの後輩が世界一かわいい

    それなら先輩は宇宙一かわいい(仮) 文化祭の準備真っ最中。
     クラスの出し物である演劇のため、背景に木材を打ち付けていると、制服のポケットに入れたスマホが震えた。
     本部からの連絡だろうか。と、片手で木材を押さえながら急いでスマホを見ると、犬飼先輩からのメッセージ。
     『そっち、終わった?』
     教室を見渡してから、そのままの体制でメッセージを返す。
     『まだ、ですけどあと三十分くらいです』
     『りょーかい。じゃ、三十分後に視聴覚室ね』
     待ち合わせて本部に向かうだけなら、玄関とかで良さそうなのに、と首を傾げつつ『辻、了解』と返信して、スマホをポケットに仕舞った。


     カラカラと音を立てて視聴覚室の戸を開ける。
     電気の付いていない薄暗い教室に差し込む太陽の光で、窓際に人がいるのが分かった。

     「先輩?」
     「おそーい」
     「すみません、後片付けが思いのほか時間かかりました」

     言い訳をしつつ、窓際へと足を進める。
     窓は開いているらしく、風に靡くカーテンとスカートのシルエットが眩しーー
     ん?スカート??
     あと三歩のところでぴたりと足を止めた俺を、犬飼先輩は見逃さなかった。

     「辻ちゃん、はやく」

     両手を広げて楽しそうに先輩が笑う。
     影になっていて表情は見えないのだけど、きっと笑っているのだろう と、少しむっとしてから仕方なくそこに収まる。

     「なんで」
     「ん?これ?」

     ひらひらとスカートの裾を広げて見せる犬飼先輩の肩に、頭をぶつけるように頷く。

     「ウチの出し物、喫茶なんだよね」

     無言でまたひとつ頷くと、先輩が続けた。

     「接客は女子がってなったんだけど、ウチのクラス女子少なくてさ。イケそうな奴、女装させることになっちゃってーー」
     
     自然とため息が漏れる。

     「で、せっかくだし辻ちゃん呼んでみた。」

     犬飼先輩は、まだ肩に貼り付いている俺の頭を両手で起こして、どう?と聞いた。
     はっきりと見える喉仏、スカートから伸びた足は筋張った筋肉がしっかりと付いている。
     完全に男の人なのだけれど、悔しいことに可愛いと思ってしまって、顔が熱くなっていくのが自分でも分かってしまった。
     ふふん、と犬飼先輩が満足げに笑う。
     
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