プロローグ 小波みなこは元ヤンである。中学時代は髪を伸ばし、幼い顔に似合わぬ化粧をし、ブレザーの代わりにジャージを羽織り、ご近所の方々にガンをつけ、ヤンキーのルールで生きてきた。みなことしては並みのつもりだったが、地元でもかなりヤバいヤンキーだと言われていたらしい。
しかし、彼女は一念発起して、名門はばたき学園への進学を決めた。ヤンキーだったせいで内申点で落とされるかと思ったが、なんとか入試は及第点だったようだ。
小波みなこがどうして地元の公立中学ではなく、名門はば学を目指したのか……強いて言えば、そろそろ真面目に生きないとヤバいと感じたからかもしれない。しかし、基本的にどうしてなのかはわからなかった。
ヤンキーの自分を捨てるため、持っていたヤンキーっぽい服はほぼ処分したし、髪もさっぱり切った。メイクも普通のナチュラルメイクだ。口調もかなり矯正した。
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