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    とりにく

    @SeseriEX

    主にときメモGSの絵や文を上げたりする
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    とりにく

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    暴れん坊マリィ ~みなこ評判記~
    マリィが元ヤンだった場合の話の出だし
    プロローグからわかるこの女クソじゃん感
    こっちもぼちぼち書いていくど~~書けんが

    ##ときメモGS4
    ##暴れん坊マリィ

    プロローグ 小波みなこは元ヤンである。中学時代は髪を伸ばし、幼い顔に似合わぬ化粧をし、ブレザーの代わりにジャージを羽織り、ご近所の方々にガンをつけ、ヤンキーのルールで生きてきた。みなことしては並みのつもりだったが、地元でもかなりヤバいヤンキーだと言われていたらしい。
     しかし、彼女は一念発起して、名門はばたき学園への進学を決めた。ヤンキーだったせいで内申点で落とされるかと思ったが、なんとか入試は及第点だったようだ。
     小波みなこがどうして地元の公立中学ではなく、名門はば学を目指したのか……強いて言えば、そろそろ真面目に生きないとヤバいと感じたからかもしれない。しかし、基本的にどうしてなのかはわからなかった。
     ヤンキーの自分を捨てるため、持っていたヤンキーっぽい服はほぼ処分したし、髪もさっぱり切った。メイクも普通のナチュラルメイクだ。口調もかなり矯正した。
    (高校の三年間は普通の女の子として生きたいよね)
     そんなことを考えながら、小波みなこはそっと前髪にピンを着けた。今日は新しい生活のために色々買いに行くつもりだ。ちなみに中学時代の友だちはヤンキーしかいないので一人である。
    (わたし、普通の女の子として笑えてる?)
     むに、と口角を指で押し上げながら、鏡を見る。鏡にはかつてのヤンキー女ではなく、どこからどう見ても、幸せそうでかわいらしい、普通の女の子が笑っていた。


     入学式の朝。みなこは真新しい制服に身を包み、新しいローファーを履いた。そして、何も改造していない学校指定のカバンを持って、「いってきまーす」という一言と共に家を飛び出した。
     カバンの中に入っている上履きも体育館シューズもどちらもデコっていない。中学生の頃の上履きは油性マジックで真っ黒になるまでデコったものだが、高校生になったのだから、何もデコらないと決めたのだ。名前を書いたときにぷるぷる手が震えたが、なんとかデコりたい衝動は抑えた。今のところ、何もデコっていない。そんな自分をほめたい。
    (そういえば、「りょうたくん」が帰ってきてるんだっけ?)
     ふと、昨日母親に言われたことを思い出す。自分が買い物に出かけている間、幼稚園からの幼馴染の「りょうたくん」が家に来ていたのだという。そして、同じはばたき学園高等部へ進学するという話も聞いた。へえ~、と適当に聞き流した。正直、幼馴染と言っても、彼は小学校一年生の頃、両親と共にイギリスへと引っ越してしまって、九年間のブランクがある。ほぼ他人じゃんそれ。それがみなこの見解である。
     だが、「りょうたくん」の話を聞いたからか昨日は妙な夢を見た。二人が小学一年生の頃、りょうたくんがイギリスに行く前に二人で古い教会の鐘を聞いたときのことだ。窓から教会内部のステンドグラスを見て、教会の伝説に心をときめかせ、二人でオレンジ色のかざぐるまに願いごとを載せて、それを吹いた。まだ純粋だったみなこは「りょうたくんの願いごとがかないますように」というかわいい願いごとをしていたが、今の自分なら「五千兆円ほしい」くらいは願うだろうな、と思った。
     しかし、りょうたくんに関する思い出と言えば、幼稚園の頃、遠足のバスでゲロを吐いていた記憶の方がセンセーショナルすぎて鮮明に思い出せるのだが、どうしてそのことが夢に出てきたのだろう。もらいゲロをするからだろうか。
     ふむ、と腕を組みながら歩いているといきなりカッと光りだした太陽が眩しくてつい目を細める。チカチカする視界の中、塀にもたれかかっている男の姿が見えた。次第に目が慣れてきて、男の顔がよく見えるようになった。長めの前髪の向こうから優し気に細められた鳶色の瞳。昨日見た夢に出てきた彼のことを思い出す。なんとなく……彼の面影があるような気がした。
    「久しぶりの……」
    「あっ、もしかして……バスの中でゲロ吐いたりょうたくん!?」
     口を手で押さえ、少し大きな声で叫ぶと男……風真玲太はすごく嫌そうに顔をしかめた。
     そんなことはつゆ知らず、みなこは彼の顔から目が離せなかった。
    (えっ、りょうたくん激マブじゃん……。これって運命……!?)
     九年間ブランクあるから実質他人じゃんって思ったのナシにしよ。さっきまでの自分の見解をうっかり投げ捨ててしまうくらい、風真玲太の顔はすごくよかった。
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