親愛なる××様「なぁリョータ。俺に何か隠してることない?」
時間は深夜。
突然の訪問者は酒に酔っていた。
「お前飲みすぎ。」
玄関先で騒いでいても近所迷惑になると思った俺は沢北栄治を部屋へ招き入れる。
リビングのソファーへ座らせると、コップ一杯の水を渡し酔いを醒まさせる。
一体何があったんだと聞きたいところだが、酔っ払っているこの男に今は何を言っても逆効果になる予感しかせず動向を見守ることにした。
「なぁリョータ。俺っていったいなんなんだ。」
どこかで聞いたことがあるセリフを言っている。
「何なんだって。沢北栄治でしょ。」
「そういう意味じゃない。」
「んじゃなんだよ。俺眠いんだけど。」
明日も練習がある。
後、3時間後には起きなければならない。
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