02 メールをしてください サスケが目を覚ますと、辺りはやけに静かだった。
枕元の時計を引き寄せる。早朝とはいえないが、それほど遅いわけでもない。いつもなら階下から母が家事をする音が聞こえてくる時刻だ。
いったいどうしたというのか。首をひねりながら、着替えを済ませ居間に降りる。が、だれもいない。
仕方なしに先に洗面をし、次は台所を覗いてみるが、やはりだれの姿もない。
そういえば母はこのごろ忙しいようだ。
警務に復職したわけではないが、あそこはうちはが取り仕切っている。その職に就く一族らの世話や手伝いをフガクの妻として泊まりがけですることもあるのだろう。
徐々に数を減らしている一族であるからこそ、結束は固い。閉塞的なきらいさえある。
1930