💋昨日までの曇天が嘘みたいに晴れやかな空。雨の跡が残るアスファルトの上に立ちながら、トウマは朝日のまぶしさに目を細めた。
本当はもっと太陽が隠れきっている時間に部屋を出て、早朝特有の灰色の空だとか澄んだ空気だとか、それらを浴びつつ身体から眠気を追い払うつもりだった。その予定が叶わなかった理由、というか、言い訳として、今もトウマの部屋の寝室で眠っているだろう存在がある。
昨夜、虎於がトウマの部屋に泊まった。そう、現在進行形で虎於はトウマのベッドを占領しているのだ。
まあたまに、いや頻繁に、虎於とは互いの家を行き来していて、もはやひとり暮らしだと名乗っていいのかというくらい一人の時間が減っていた。つまり、理由なんて無くても一緒に過ごすようになっていた。
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