本音が出る薬「は?まじ帰れよ、忙しいんだよ俺は……」
「おー!あの薬ホンモノだったんだ!」
口にした言葉に微塵も似合わない拍手の音が聞こえる。
状況が全く理解出来ないが、とりあえず俺はこのクソ兄弟の罠にまんまと引っかかったらしい。
てか今俺何言った…?普段はどんなにイラついても貼り付けた笑顔と持ち前のトークスキルで切り抜けてきたというのに。
いや、ただ1人それが通用しない男もいるわけだが。
「ねー副所長ー!俺のことどう思いますー?」
「ずるーい!俺も俺も!」
「あーもう鬱陶しい!なんでもいいから!どっかいけよぉ…」
常に媚びへつらう言葉を次々と並べる七種茨自慢の口も、なぜか今は思うように機能しない。
こんな口調なんて久しぶりだ。あの施設にいた時ぶりか…?と脳の冷静な部分で考える。
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