死人に口無し1
視点・その声が聞こえぬ者
「お待たせ〜!待った…?ごめんね待たせちゃって」
多分怒ってるよな〜と思いつつも俺は悪びれもなく花束を渡した。
「じゃじゃーん!花束持ってきたよ!マリアと一緒に君のために選んだんだ。綺麗じゃない?」
花なんて1週間で散るものだけど、たまにはこういう贈り物も良いだろう。
「あ、さっきアスターに会ったんだ!」
久しぶりに会った友の名を口にする。
「新しくオープンしたカフェに入ったらお給仕さんがアスターだったんだよ!ビックリした〜。メイド姿とても似合ってた。制服が可愛かったからって理由でバイトしてるんだって。面白いよね」
「最近中々皆と会えなくて寂しがってたなぁ」
「俺?俺はね最近…何も手につかなくて時間を持て余してるよ」
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