神隠しツアー! in 歌仙兼定「と、言う訳で弊本丸の歌仙さんの神域にやってきました! さあ、一体何があるのでしょうか! わくわくしますねー」
「……さっきから一人で話しているのは何なんだい」
「音声記録をとっています。カメラは真っ暗になってしまったので」
「ねぇきみ、飛んで火にいる夏の虫という言葉を知ってるのかな」
襖を開けるとざーっと紙束が雪崩のように溢れてきた。
「これは……」
「事前に来てくれると言ってくれたのなら片付けたものを……君宛ての歌だよ」
「……すごい数ですね」
「こちらに良く出来たものをまとめた和歌集があるから、持っていくといい」
「お土産付き」
和紙の表紙の素敵な装丁。薄い本のようだが持つと何故か二十倍くらいの重量がある。
「次のお部屋はいけーん! ここは?」
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