きつねのおでんパロ 10月に入って、ようやく過ごしやすい気温となった頃。
夜空は、満月が綺麗に輝いている。
拓也と礁介がふらりと集まるのは、最近ではどこか定番になっていた。
今日も拓也が「今日飯食お」とメッセージを送った事で、二人で礁介の自宅へと歩みを進めている。
お互いに大学終わりに合流したため、時刻は19時となっていた。
「家で待ってりゃいいのに」
「大学から帰るなら、駅によるのも家に向かうのも距離は一緒だからな、別にいいだろう」
口では素直でないものの、拓也は内心わざわざ駅までこうして迎えに来てくれることを嬉しく思っている。
長年の付き合いでそこまで礁介が見抜いているかは、分からないが。
「買い物もしなければいけないし……、拓は何が食べたいんだ?」
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