グレゴールのなんて事も無い“普通の”一日今日はなんて事ない1日だった。
学校へ行き、学友達と共に少し退屈な授業を聞いて昼ごはんを食べて、そして学友にさよならの挨拶をする。
別に何か面白い事や興味深い事が起こった訳ではない。
しかし、俺は鼻歌を歌いそうなほど嬉しそうな顔で帰路に着く。
今日はなんてことない1日であり、俺の誕生日だ。
いつもは仕事でいない父が帰ってきて、俺の為に何か誕生日のプレゼントをくれるのかもしれない。
この歳になってもまだプレゼントを貰ったり、自身の誕生日を祝ってもらうのはとても嬉しいのだ。
家の扉の横に付いている呼び鈴を鳴らす。
電子的な音が扉越しに聞こえ、小さな足音がこちら側へ向かってくる。
「お帰りなさいませ。」
迎えてくれたのは両親ではなく家で雇っているバトラーだった。
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