「寒いな」
「寒いわね」
「ガウーゥ」
11月も後半。酷暑を乗り越え、秋がやってきたと思ったら、一瞬にして雪舞う気温になってしまった某所。
三人の幼きデュエリストはガルド城の長ーい廊下のでかーい窓に手をつき、鼻をつけて外を眺めていた。
「もうこのワンピースじゃ外歩けないわね」
ピンクのワンピースにとんがり帽子を被ったIが、冷気から逃げるために窓から一歩離れた。
ガルド城は暖房が効いているが、流石に廊下は冷える。
「見てるこっちが寒いし、西松屋にでも行ってこいよ」
「A、アンタね、このアタシの服がそこらの白ウサギの店で買えると思ってるの?ありえないわ。」
「それに、アンタだって半袖短パンじゃない。マントを巻いてもごまかせるのは見た目だけよ。風邪引くわよ」
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