ASMR強欲編 タイトルそのままです。
コルニアス司教に耳かきをしてもらおう！！






















「あのさあ、いきなり僕の目の前に現れて耳かきしてほしいだなんて、いったいどんな神経してるわけ？百歩譲って僕とお前が家族だと仮定しよう。僕がお前を甘やかすため、或いは、家族間の親交を深めるために耳かきをしてあげよう。だなんて思考に陥ることもあるかもしれないよね。でも正気に戻って考えてもご覧よ！僕らに血縁関係なんてあると思う？無欲で清貧、足りずとも満ちることを知る、この僕と………お前にだよ？あるわけないでしょ。そうでしょう？何の権利があって僕に耳かきを強請ろうなんて思ったんだよ…。他人である僕らの交友関係を円滑にする為の手法として耳かきを選んだのだとしたら本気でお前に友達がいなかったんだなって同情してやることくらいしか僕には出来ないんだけど。あとは……お前自身が世界や周りを如何に知ろうとしない奴だ、と性格を断定することくらいしか出来ないなあ…。嗚呼、嫌だ。やめてよね、如何に寛大でも耳かきを強要することでしか友人を作ることのできないなんて思いこんでいる怠惰な人間と話すなんて僕の見識まで狭くなっちゃう気がする。ほら、あるでしょう。奇麗なリンガの横に腐ったリンガを置いておくと奇麗なリンガが直ぐ腐るっていう話！正にあれなんだよね！！完璧で完成された僕であれど理解のできない考えを聞くと頭が痛くなってくるんだよ…。愚かで節操のない考えや言葉は、完璧であるものを無自覚のうちに浸食しようかとしてくるんだ！それってさあ、きっとお前は僕のことを意識の底で羨んでるんだよねえ！！僕を侵食して僕を壊して、ほんの少しでもいいから完成された僕を穢したいだとか、考えをこそぎ落として自分の思考に混ぜようだとかさあ！！お前は僕の！！！！僕に許されたちっぽけな僕という自我を、私財を、僕から奪おうってことだ！！！！それは、如何に無欲な僕でも、許せないなあ……。嗚呼、許せないからってお前を今この場で殺したりなんかしないよ。そんなに怯えた顔をしないで。いいかい。僕は頭のおかしな他の大罪司教と全く持って違う存在なんだ。彼奴ら、血の怪我多すぎると思わない？ほんと見てるだけで嫌になってくる。感情に任せて強い力を奮うなんて愚か者のすることだよ………。争いとかさぁ、嫌なんだよね、僕としては。僕はこう、平々凡々とた

一歩づつ──デートでもしませんか。
廻屋からそう誘われたのは、春の日差しが暖かくなり始めたお昼前。
いつぞやのお月見で、一応は恋人となったものの。いつも通りにセンターに顔を出し、いつも通りに調査に向かって、いつも通りに調査報告をして解散、という進展のなさだったのに。一体どういう風の吹きましなのか。
でーと、デート……。口にして反芻して首を傾げるあざみに、廻屋は「映画とかいかがです？」と付け足した。
「見たい映画があってですね。ホラー映画なんですけど」
「えっ……それは、ちょっと……オコトワリシマス……」
思わず小声になってしまうあざみに、廻屋はクスクスと笑いだす。
「安心ください、怖くないですよ」
「ホントですか……？」