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    オーロット

    みたまの倉庫

    MEMO書きながら思いました。早く付き合えよこいつら!!!!!!!あとブチギレたオーロットって怖そうですよね。
    冥婚三章

    今日こそは森の中で遭難してやる!と意気込み、失敗した時のために首に巻くロープやらナイフやら大量の眠剤やらなんやらをリュックに詰め、森に入る。すると、お待ちしてました!とでも言うかのように、ヒトモシのモシちゃんが道に立っていた。私の計画も知らないでかわいいやつめ。魂をたんと吸わせてやるから楽しみにしてるんだな。としたり顔を浮かべるも、モシちゃんは首をかしげている。何か言いたげなモシちゃんをひょい、と持ち上げ腕に収めると、満足そうにモシ!と鳴いた。
    モシちゃんの道案内もあってか、昨日出会ったシャンデラとも再会することが出来た。と言っても、今日で会うのも最後だが。おーい、と声をかけると、シャンデラは慌てた様子で腕を振り回し、目を鋭くして何かを訴え始めた。え、何?もしかして私怒られてる?……それもそうだろう。ここで亡くなった人が多い以上、私の計画がバレていてもおかしくはない。大方、「生きろ」だの「ここにいたら死んでしまう」だの「人間の世界の方が楽しい」だのと訴えていそうだが、生憎私は森の外には興味はない。人間と生きるつもりも、学校に通うつもりも、もうないのだから。それでも私に生きてほしいのか、だんだん涙目になりつつあるシャンデラに向かって近付くと、腕を振り回すのを止め静かにこちらへ向き直った。いつの間にかモシちゃんは腕から離れ、足元から私を見上げている。そしてゆっくりと、シャンデラを抱きしめた。ごめんね、ありがとう。でもね、もう生きていたくないんだ。
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