南ノ南
ヒロ・ポン
DOODLE過去頒布コピー本再録/判南の南が含まれます【耀ふなら】
「お邪魔します」
「どうぞ。まあ俺の家じゃないですが。」
南方は笑いながら真鍋を迎え入れ、真鍋が腕に掛けていたジャケットを受け取り玄関のハンガーに掛け、室内へ招いた。
「いいのか、愛の巣なのに」
「愛の巣って…自分と気恥ずかしい言い回しをしますね…勿論、あなたを招く事は判事には了承を頂いていますよ」
自分で言う通り気恥ずかしさがあるのか南方は頭を掻きながら真鍋の足元にスリッパを差し出す。
ある程度の社会的地位を持つ男にありがちな事なのだろうか。まだ玄関と廊下にしか至っていないながらもこの家には「雑然」や「生活感」のようなものとの縁の遠さを感じた。
手を洗い、ひんやりとしたリビングに通されてふと目に入った壁掛けの時計を見ると、約束していた訪問時間にはちょうどだが目的の時間にはまだ余裕があった。
11795「お邪魔します」
「どうぞ。まあ俺の家じゃないですが。」
南方は笑いながら真鍋を迎え入れ、真鍋が腕に掛けていたジャケットを受け取り玄関のハンガーに掛け、室内へ招いた。
「いいのか、愛の巣なのに」
「愛の巣って…自分と気恥ずかしい言い回しをしますね…勿論、あなたを招く事は判事には了承を頂いていますよ」
自分で言う通り気恥ずかしさがあるのか南方は頭を掻きながら真鍋の足元にスリッパを差し出す。
ある程度の社会的地位を持つ男にありがちな事なのだろうか。まだ玄関と廊下にしか至っていないながらもこの家には「雑然」や「生活感」のようなものとの縁の遠さを感じた。
手を洗い、ひんやりとしたリビングに通されてふと目に入った壁掛けの時計を見ると、約束していた訪問時間にはちょうどだが目的の時間にはまだ余裕があった。