etude
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DOODLEETUDE世界線。クロスの師匠と、師匠に激重感情抱いてるクロスの話。師匠≠クロスなのでややこしい。ごめん。 「ねぇ師匠、ご飯作ってくださいよ」 樫のテーブルにぐでんとうつ伏せ、天板に頬をくっつける。唐突に来訪してそんな無茶振りをかました俺に、師は「えぇ? 俺が?」と困ったように肩を竦めたものの、やがてはぁぁと小さなため息をついた。
「俺が食べるやつの余りでもいい?」
「いいです」
「きみが殊勝だとなんだか調子が狂うな」と苦笑しながら、師は真白の服を汚さぬようエプロンを付けて台所に立つ。普段は何もかも浮世離れしているのに、ふとしたところで見せるこの人の庶民的なところが、俺はなんだか好きだったりする。
そもそもこの人が台所に立つ姿を見られる人間がどのくらいいるのだろう。何もかもを他者から捧げられるに足るとくべつな人。指一本、爪の半分、睫毛の先まで宝飾品を飾り付けられるに相応しいほどうつくしいこの人が、実は割と自炊をする人だったりとか、自分で食べる分は粗食でも構わなかったりだとか。そんな些細なことを知っているのは果たしてどれくらいいるのだろう。
4291「俺が食べるやつの余りでもいい?」
「いいです」
「きみが殊勝だとなんだか調子が狂うな」と苦笑しながら、師は真白の服を汚さぬようエプロンを付けて台所に立つ。普段は何もかも浮世離れしているのに、ふとしたところで見せるこの人の庶民的なところが、俺はなんだか好きだったりする。
そもそもこの人が台所に立つ姿を見られる人間がどのくらいいるのだろう。何もかもを他者から捧げられるに足るとくべつな人。指一本、爪の半分、睫毛の先まで宝飾品を飾り付けられるに相応しいほどうつくしいこの人が、実は割と自炊をする人だったりとか、自分で食べる分は粗食でも構わなかったりだとか。そんな些細なことを知っているのは果たしてどれくらいいるのだろう。